PEOPLE
グローバルワークプレイス事業本部
施工管理 | 空間マネジメントコース
上野 祐希 2013年新卒入社
ただただ自分で、
現場をきちんと納めたかった。
上野祐希の人生は壁だらけだ。担当商材は壁。乗り越えているのも壁。2013年、上野はコクヨエンジニアリング&テクノロジー※に入社し、スチールパーティションと呼ばれるオフィスの壁にあたる商材の担当となった。現場に出る業務を担う女性の先輩はほとんどおらず、環境も整っていない時代。(※当時。現在はコクヨに吸収合併)
環境が整っていないくらいで辞めたいとは思わなかったです。女性は少ないもののグループのメンバーに恵まれていたし、私が辞めずに続けることで、後から入ってくる後輩たちのロールモデルや相談相手になりたかったから。
自分のことを「ざっくりした性格」と上野は表現する。ときに社外で「女性にはできないよ」という固定観念に晒されることもあったが、明るくかわして目の前の仕事に集中した。「現場をきちんと納めたい」一心。お客様に聞かれた質問にはきちんと回答できるよう、日々いろんな人に自ら教えを請うたという。
私自身、コミュニケーションモンスターと言われることが多くて、担当業務以外のことでも積極的にいろんな人に話を聞きに行っていました。そのおかげでいろんな人や社内のさまざまな仕事を早いうちから知ることができたと思います。
社内のメンバーに厳しくも温かく支えられ、着実に一人前へと成長した上野。そして迎えた3年目、建材案件拡販のための案件窓口・技術支援を行う部署へ異動となる。技術支援は通常、業界構造と建材製品、営業のキーマンを知り尽くしたメンバーが担うもの。次なる嵐が始まった。
全員コクヨの仲間なんだ。
思い切って、頼らせてもらおう。
工事の世界では受注生産型の製品を「生もの」と表現することがある。決まった完成品を納めるソファなどの家具と違い、納品先ごとの天井の高さや部屋の幅、梁や窓台の位置、そして顧客・設計者要望に合わせてオーダーメイドに近い形で納品するからだ。3年目以降の上野は、この「生もの」としての壁の難しさに真正面から向き合うこととなる。というのもそれまでは受注した案件を正確に納めることがメイン業務だったのに対し、技術支援となると設計事務所やゼネコンのニーズに自分が前面に立って応えていかなければならない。製品知識に加えて建築・法規知識も要求され、対峙する相手も一気に広がった。
キャリアの中で最も負荷のかかった時期だったと思います。要望に応えきれなかったこともありました。でも、私一人で成し遂げられることではないと気づいたときから、困ったことがあったら工場や製品開発部のメンバーに早い段階から相談するようにしたんです。「お客様からこんな要望を受けました!こうしたらできると思ったのですが、どう思いますか?」と、自分なりの仮説も図で描いて送って。もう、全員仲間だから手伝って!くらいの気持ちです(笑)。すると「これの応用でいけると思う!」「耐久試験をクリアしたら出せるよ」と皆からアドバイスをもらえるようになったんです。ときには現場での打ち合わせに同席してくれて、難易度の高いリクエストにもコクヨ建材チーム一丸となって応えたい、応えよう!と、多くの人に助けてもらいました。
二度目の夏が来る頃には、仕事は少しずつうまく回り出していた。「生もの」たる壁の中には、無数のこだわりが込められている。それらを一つずつ説明する上野の語りは澱みなく、どこまでも真っ直ぐだ。
壁はプライドの高い商材です。非常に厳しい品質基準をクリアした製品だけをお客様にお届けしており、根拠を持って「コクヨの建材は良いものですよ」とすすめられるのが好きなところです。
空間の重要な要素として、
壁が活きている未来へ。
オリンピック需要に伴い首都圏に新築ビルが多数建ったタイミングでは、現場も商流も理解している上野が受注誘導から施工納品、物流調整まで担った。24時間フル稼働の現場で、一日何往復もするエレベーターにどの順番で製品を乗せて運ぶか、施工人員をどう配置するか、上野が担当者と連携して管理した。今、建材戦略推進室でグループリーダーを務める上野のもとに、皆が声をかけに来る。女性の後輩はもちろん、男性も、年上も。
営業はゼネコンやデザイナーにたくさんの宿題を渡されて帰ってきます。そんな営業たちの話をまずは全部聞こう、全部話してもらおうと意識しています。気軽に話しかけてもらえるようにパソコンのフォントを大きくしているんです。小さい文字を必死に見ていたら、無意識に眉間に皺が寄って怖いだろうから(笑)。機嫌よく見えるようにしています。
「施工写真のピントはいつも、壁の手前の家具に合うように撮られるんです」と上野は話す。壁はあくまでも背景。そこに壁としての矜持がある。と同時に壁はその遮音性ひとつ、透明度ひとつの違いで人の集中力に影響を与える。オフィス全体で捉えたとき、壁が空間に及ぼす影響はどれほどまでに大きいだろう。年次を重ねるごとに、上野の興味は「壁」そのものから「壁のある空間全体」に広がってきたという。「コクヨが壁を提供する価値とは?」。その問いを共有しながら、上野はチームを次の未来へと連れていく。
私自身が目の前の仕事を楽しんでいる姿を見せ、ときにはヘルメットをかぶって汗かいている姿も見てもらうことで、この仕事の魅力が伝わればいいなと思って働いています。これから入ってくる人も、飛び込んでみる前はあまり馴染みのない製品で不安かもしれませんが、大丈夫。建材事業はみんな本当に真面目でいい人たちばかり。ぜひ、心の壁を取っ払って入ってきてくれればと思います。