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グローバルワークプレイス事業本部

生産技術 | プロダクトエンジニアリングコース

佐藤 大樹 2021年新卒入社

佐藤 大樹

の社会の拓き方

正解は、だれも知らない。
だから自分で設計する。

デザイナーと工場の間で、
「実現」への力を束ねる。

デザイナーと工場の間で、
「実現」への力を束ねる。

つくり方すら分からなかったものを、短期間で量産化にまで至らせる。そんなことを実現し続けているのが、三重工場商品設計グループに所属する佐藤大樹だ。例えば、チェア商材。これまでは社外の協力工場に生産を委託することも多かったが、近年では自社のものづくり力を高めるために内製化へのチャレンジを進めているものの一つである。入社当時から一貫して「自らの手で新しい製品を世に送り出したい」と情熱を燃やす佐藤が、その流れを後押しする。

開発・デザイナーとデザインを連携したら、ベンチマークとしている製品を分解して構造を真似してみるんです。それをヒントに図面や型紙をある程度まで起こし、製作の方に渡して試行錯誤で精度を上げていきます。 

デザインを実現できるかどうかの最後の部分は設計グループにかかっているといわれる。それは単に、デザインを実現し得るだけの設計的技量が試されるというだけの話ではない。実際にモノをつくってくれる現場の方々に、いかにデザインの意図を理解してもらい、同じ目標に向かってものづくりができるか。その働きかけを行うのが設計グループだからだ。 

現場の方々はデザインを確認すると、そこから最もつくりやすい方法を考えて提案してくれます。彼らは“最も正確で、最もエラーが少なくなる工程”を考えるプロだからです。しかし、なかには一筋縄では実現できないデザインもあり、そんな箇所にこそデザイナーのこだわりが詰め込まれていることも多々あります。そういうとき、間に立つ僕が「このデザインによって何を解決しようとしているのか」という根本に始まり、「なぜこのイスのRはこの角度なのか」「隣にどんな家具が並ぶのか」といった小さな“なぜ?”まで丁寧に言葉にすることを大事にしているんです。勿論それをするには事前にデザイナーの意志を深くまで汲み取っておく必要がありますが、この双方へのコミュニケーションを省略しないことで、つくりやすさとデザインの“両どり”をギリギリまで狙えています。

デザイナーと工場の間で、
「実現」への力を束ねる。
どこまでやれば、
「製品」になるんだろう?

どこまでやれば、
「製品」になるんだろう?

佐藤を大きく成長させた仕事が、2022年のオフィスチェア「Liite」の設計だ。コクヨとして初めて内製したイス商材で、イスづくりのノウハウも設備もないところからのスタート。特に座面の布などの縫製はだれも経験したことのない領域だった。佐藤はここで、高校の家庭科以来のミシンに向き合うこととなる。立体的な座面の縫い方を考え、まずは自分で縫ったのだ。 

すごく難しいなぁと思いながら取り組んでいました。ただ、小さい頃に折り紙をよくやっていたこともあり、平面から立体物をつくるイメージは何となくあったんです。趣味が仕事に活きましたね(笑)。

手応えを得てからは現場と調整を重ね、縫い方を連携した。しかし別の壁もあった。それは、イスを製品として成り立たせるための基準や知見が三重工場内になかったことだ。何をどこまで担保すれば「これは安全な製品だ」と胸を張って言えるだろうか?一般的な強度基準もあるが、いざ自社製品としてつくるとなると、これまでブラックボックス化されていたごく細かい部分まで自社の判断軸が必要になる。佐藤たちは部品ごとに、またその組み合わせごとにと強度試験を繰り返し、手探りで「コクヨ製のイスの基準」を構築した。試験用のイスだけで40脚を超えていた。

樹脂部材をつくるための金型は大きいもので1つ数千万円と高額で、詳細設計が固まる前には当然発注できません。つまり設計段階の強度試験では、データ上の解析や、樹脂を塊から切削したような仮部材で代替をするしかない。本物でないものをどう正確に解析するか、もし強度が足りなければどこをどう変えるのか。そんなことまで1つずつ手探りしながら検査に回し、削ったり太くしたりして最終形に仕上げていきました。

どこまでやれば、
「製品」になるんだろう?
何かを変えるには、
説得力がなくちゃいけない。

何かを変えるには、
説得力がなくちゃいけない。

楽しい、と佐藤は言う。気の遠くなるような強度試験の繰り返しも、「つくれない」から「こうすればつくれる」を捻り出すことも。最近の佐藤は、設計グループのメンバーとして開発段階からデザイナーとの相談に入ることも多い。

一見、デザインと機能のどちらかを諦めなくてはならないような場面では、「そもそもこの仕様で何を解決したかったのか」という課題に立ち戻り、「だったら必ずしもこの仕様じゃなくてもいいのでは」と柔軟に思考するよう意識しています。①ができないなら①ダッシュはどうかと試すだけではなく、②や③、あるいは全く違うAにまで思考を飛ばすイメージです。 

佐藤はコクヨ製品の特徴を「デザイン性と使い心地の両立」であり、特に後者を大事にするのがコクヨらしさだと話す。使ってみれば「あっ」と気づいて感動する、“人間一人が使うサイズ”のプロダクト。それを自分も新しく生み出したいという入社当時の想いが、今では日々叶っている。

うまくいかなかったのは立ち上げるべき新製品が1つもなかった入社3年目ですね(苦笑)。せっかく時間があるのだからと興味のある活動にいろいろ手を出したところ、意識が分散してどれも半端になってしまって。メインのミッションだった既存製品のコストダウンでも成果が出せず、先輩からは「優先順位は何だっけ?」と指摘を受けました。自分たちの部署がそれをやる意義、自分だから実現できることの価値。それらを掛け合わせようという視点があればまた違ったかもしれませんが、あのときは自分の役割の認識が甘く、周囲の協力を得られるだけの説得力がなかったんだと思います。ただ逆に言えば、コクヨは「なぜやりたいか、どんな価値に繋がるか」の軸さえ通せば何でも挑戦できる会社。これから入ってくる人たちは、一回自分のやりたいこと発信でやり切ってほしい。そこに今度は自分が先輩として、価値のつけ方や周囲の協力の得方を伝えてあげられたらなと思います。