PEOPLE
グローバルワークプレイス事業本部
事業戦略 | グローバルリーダーコース
兪 程 2011年新卒入社
中国式のコミュニケーション、
忘れちゃってました!
2023年に東莞のLamex工場でプロジェクトを行ったとき、中国人同士のコミュニケーションの取り方を忘れている自分に気がつきました(笑)。まる12年日本で働くなかで、暗黙知が多く空気を細やかに読む日本式のコミュニケーションスタイルにかなり寄っていたんですよ。「あ、今回はお互い中国人だから、ハッキリ最後まで言わなきゃいけないんだ」って、思い出しました。
コクヨにまだ外国籍の社員がほとんどいなかった時代に入社し、パイオニア的にキャリアを切り拓いてきた兪の言葉は、意外なほどに肩の力が抜けている。彼女が話す通り、兪がグローバルな事業とがっぷり組み合ったのは入社から12年の月日が流れてからのこと。実は兪が入社した当時、人事部門としても外国籍人材の育成ルートを確立できてはいなかった。悩んだ結果、最初から専門性の高い部門に配属するよりも、まず会社全体を俯瞰できる場所に行った方が良いのではないかと、兪の初期配属はグループ戦略部に。その後、マーケティングや広報を経て現在のグローバルワークプレイス事業本部に至る。
入社当時はすぐにでも海外に飛び出して、中国と日本の架け橋になるんだと思っていたんですよ。実際、同期の外国籍のメンバーにはすぐに海外の仕事ができなくて辞めた人もいます。ただ最初は右も左も分からなかったし、日本語もちょっと怪しかったし、関西弁の先輩の話を聞くと「何の話してるの?」みたいな。もちろん社内用語もたくさん。それくらいあやふやなところから、焦らずに段階を踏めたのは良かったなと思っています。後輩に「海外でプレスリリースを出すにはどうしたらいいんですか?」などの質問を受けても、すぐ答えられるのは今までの経験があったからです。
やらなきゃいけないからやる、ではなく
やりがいを一緒に見つけるのが私の仕事。
自ら異動を希望したことはないが、異動する先々で仕事を楽しみ、「今の仕事が一番だわ」と思う。そんな兪に「海外の家具の仕事をしてください」という辞令が下ったとき、兪は率直に「びっくりした」という。さらに2023年、海外子会社であるLamexにJ-SOXという内部統制報告制度を導入するミッションが下ったときもまた「びっくりした」という。
まぁ、でもルーツは中国ですし、やっぱりいつかは海外の仕事もしたいとは思っていたものですから。じゃあ行きましょうということになって。ただ私は「J-SOXって何?あ、なるほど、そういうものがあるんだ、全然知らなかったわ」と。そんなスタートです。
J-SOXとは、上場企業における財務報告の信頼性の確保を目的とした内部統制報告制度のこと。海外拠点の売上高の割合が増えれば海外子会社もJ-SOXの評価対象拠点となり、日本本社と同等の水準を求められる。グローバル展開を推し進めるコクヨにとって、出合うべくして現れた次のハードルだった。
導入の過程では業務プロセスを細かく見直すため、業務のブラックボックスがなくなり、不正リスクの削減やガバナンスの強化に繋がるというメリットもある。しかしそのときの兪に与えられたタイムリミットはわずか半年。期末までに評価を完了できるような体制を整備しなければならなかった。すぐにタスクを因数分解し、日本側の専門部隊を巻き込みながらJ-SOXを学ぶ。さらに兪は、自分も素人という状況を素直に利用した。現地の人と一緒に学びながら、「これって何で必要なんでしょうね?」をゼロから一緒に考えたのだ。
会社にとってやらなきゃいけないことだからやる、ではなくて、彼らにとってのやる意味、やりがいを一緒に見つけるのが私の仕事だと思いました。それに現地のメンバーが「日々の仕事のやり方は本当に正しいのか?」を逐一振り返る機会になれば、J-SOX導入をポジティブに受け止められるかもしれない。振り返るなかで「実はこのやり方を変えたいんだよね」という話になったら、変えるには絶好のチャンスです。
コクヨの人って、
誠実な変態なんです。
中国のメンバーと働くなかで、自分のリーダーシップスタイルにも大きな変化があったと兪は話す。
空気を読みすぎる調整役ではなく、真っ先に意思を示し、組織を動かす主体性がグローバルでは必要なんですね。分からないことは分からないと言ったらいいし、グループ全体としてのベストを一緒に考えたいんだという想いも言う。そうしないと物事が前に進みません。
半年後、J-SOXの導入は無事に完了。議事録の取り方や会計上の業務課題など、さまざまな周辺業務も改善に至った。現場に細かく入り込んだことで、兪は必然的にLamex社内の仕組みに詳しくなり、人間関係もできた。それらが土台となって、後日、工場の業務可視化プロジェクトや、兪の部下による生産管理システムの導入プロジェクトへと駒は進められていった。兪がそうなりたいと願った“中国と日本の架け橋”。いつの間にか、なっていた。
コクヨの商品って、ぱっと見ではシンプルで控えめだけど、実際に触れて使ってみると「なるほど、これいいね。さすがコクヨだな」となるものが多いですよね。社員も似ていて、真面目で一見大人しくても、掘ってみると、え?そんなこだわりがあるの!?そこまで!?となる。実は「誠実な変態」という言い方が社内にはあるんです。しかも「変態だよね」と言われると多くの人が「そうですよね」とにこやかに受け入れる。そんな会社なので、ぶっちゃけどんな人でもコクヨに興味があるなら楽しい仕事が見つかると思います。受け入れる側の多様性は、既に豊かなんじゃないでしょうか。